不祥事買いという手法
不祥事買いとは、不祥事が起こった会社の株価が下がったところで買い、その後の値上がりを狙う手法。
会社は不祥事が発覚すると、世間から叩かれまくる。
最近は、とくに叩かれ方がひどい。
不祥事だから法令違反や倫理上の問題行動も当然あるだろう。叩かれ方が余りにひどいので、このままつぶれてしまうのではないか、上場廃止になるのではないかと思わされるが、会社の業績や将来性を冷静に分析すると、それほどひどくないことも多い。
又、大きな会社だと社会的影響も大きいので、そう簡単につぶせるわけもなく、メインバンクや企業グループ、同業他社や景気のいい会社が資金援助、合併や買収などの支援に乗り出すこともあり、倒産のリスクは一層低い。
シャープのように長期的に業績が低迷している会社は、先行きもジリ貧かもしれないが、突然振って沸いたような不祥事が表ざたになった会社の場合は、一時的な落ち込みでとどまることも多い。
昨年5月、東芝が会計上の不祥事でめちゃくちゃ叩かれた。それまで、500円前後の株価が、半年後200円を割るところまで売られた。上場廃止になるのではないかと言われていた。しかし、現在300円近くまで値を戻している。
東芝の不祥事の後、清原の覚せい剤の事件、ベッキーの案件、三菱自動車の燃費不正と続けてあり、今は、東芝の会計不正の話は話題に上らない。ずいぶん昔の出来事のようだ。
不祥事が起きた直後から、当然、株は売られる。マスコミはめちゃくちゃ叩き、連日集中的な報道をする。大会社の経営陣が謝罪し、謝罪の仕方が悪いとまた叩く。この状況に乗っかって、下げを見込んで大量のカラ売りが仕掛けられるからさらに下がる。下げの速度は上げよりはるかに速い。
しかし、そこを冷静に見極めている投資家も大勢いるはずだ。株価が底値を打った後、買いを入れれば安く買える。売られすぎている、安すぎると判断すれば、買い時と捉えて買いを入れてくる。
世間で騒がれているほど、企業実態が悪くないのなら、企業価値と株価のギャップが生まれ、利益が見込める。
オリンパス 2011年末 424円 ⇒ 2015年末 5040円
東芝 2016年2月 155円 ⇒ 2016年6月 548円