自由な働き方論

自由な働き方論は、昔からあった。

 今から20数年前のバブル時代。

正社員はもう古い。正社員で会社にしばられるのではなく、派遣社員という自由な生き方がある。

雇用形態は、期間契約。いつでも自由に辞められるし、好きなときに、好きなところで働けばいい。仕事はいくらでもあるのだから。といったような。

 又、10年くらい前、インターネットが普及し始めたころ。

ネットでつながっているのでノートパソコンがあれば、どこでも仕事ができる。場所にとらわれない自由な仕事の仕方。会社に行っても自分の席が決まっていない。カフェテリアみたいな空間でその日の気分で座る場所を決めればいいみたいな。会社に行かずに家で働けば通勤地獄もなくて通勤時間が節約できるのでかえって能率が上がるとか。どこでも働けるノマドワーカーという言葉も。

 最近は、携帯や無線LANやクラウドコンピューティング

タブレットを持ち歩いて、どこにいても無線でサーバーにつながる。クラウドにアクセスすれば、大きなデータを持ち歩く必要がない。より自由度が広がった新しい働き方。

 

 でも。

 今でも主流は、正社員。派遣社員はいろんな面で損だし。会社に行けば自分の席が有り、9時から5時まで勤務。上司の目の届く場所で働いている。そういう人が大部分ではないだろうか。昔と変わったところは、フレックスタイムができたくらい。

 

 結局、人間、自由にやらしたら働かなくなっちゃうんじゃないかな。どこでも仕事ができるといっても、誰も見ていなければダラダラしちゃうし。満員電車の通勤地獄は東京だけで、地方で車通勤20分は全然苦痛じゃない。

 

 そもそも、自由な働き方がいつになっても主流にならないのは、結局のところ、根本的な矛盾があるからだと思う。

 ドラッガーじゃないけど、やっぱり顧客が第一だから。顧客の要求に応えないと会社はやっていけないから。注文がたくさんあって忙しいときは社員に残業して欲しいんです。会社は。それを、残業するかしないは私の自由です、働くか働かないかは私の都合ですって言われても困ってしまうんですよね。

 

 よっぽど才能があって、自由な働き方の中から、次から次に素晴らしい価値を生み出せる人は別ですけど、大部分の普通の人には、自分の都合は後回しにして、会社の都合イコールお客の都合で動いてもらわないと成り立たないのです。